労災保険制度の基礎知識

 業務中または通勤中に交通事故にあってしまった場合には、労災保険から治療費、休業補償、障害補償、特別支給金など様々な給付が受けられる可能性があります。

 ここでは、労災保険の給付内容と請求手続きなどについてまとめています。

 

1.労災保険への加入義務

 労働者(常勤・パート・アルバイト・派遣等)を一人でも雇っている事業場は、労災保険に加入する義務があります(個人経営の農林水産業で労働者が5人未満の事業場は、加入義務から除かれています)。

 このため、通常ですとお勤め先は労災保険に加入していますが、仮に労災保険に加入していない場合でも、労災保険から給付がなされます(下記8(2)をご覧ください)。

 

2.給付を受けられる要件−業務災害・通勤災害・複数業務要因災害−

 労災保険は、業務上の災害(業務災害)、通勤途上の災害(通勤災害)に対して保険給付が行われます。

 また、複数の会社で働いている労働者の方が、2020年9月1日以降に傷病等が発生した場合、複数業務要因災害として認定される可能性もあります。

(1)業務災害

(2)通勤災害 

(3)複数業務要因災害…複数の会社で働いている労働者の方(複数事業労働者)が、複数の会社の業務を要因とする事由で被った負傷・疾病・障害・死亡等が対象とされています。

 

3.給付の概要・・・カッコの外は業務災害、カッコ内は通勤災害に対する給付の名称

(1)療養補償給付(療養給付)

 @療養の給付、A療養の費用

(2)休業補償給付(休業給付)

(3)傷病補償年金(傷病年金)

(4)介護補償給付(介護給付)

(5)障害補償給付(障害給付)

 @障害(補償)年金、A障害(補償)一時金、B障害(補償)年金前払一時金、

 C障害(補償)年金差額一時金 

(6)遺族補償給付(遺族給付)

 @遺族(補償)年金、A遺族一時金、B遺族(補償)年金前払一時金 

(7)葬祭料(葬祭給付)

(8)特別支給金

 @休業特別支給金、A傷病特別支給金・傷病特別年金、B障害特別支給金・障害特別年金・障害特別一時金 、C遺族特別支給金・遺族特別年金・遺族特別一時金

 

 複数業務要因災害については、2020年9月1日施行の労災保険法改正で、下記7つの保険給付が新設されました。

 @複数事業労働者療養給付、A複数事業労働者休養給付、B複数事業労働者障害給付、C複数事業労働者遺族給付、D複数事業労働者葬祭給付、E複数事業労働者傷病年金、F複数事業労働者介護給付

 

4.労災保険の社会復帰促進事業

 労災保険の社会復帰等促進事業の基礎知識特別支給金アフターケアなど)をご覧ください。

 

5.保険給付についての不服申し立て

 労災保険の不服申し立て(審査請求・再審査請求)の基礎知識をご覧ください。

 

6.労災保険の時効について

 労災保険の時効の基礎知識をご覧ください。

 

7.交通事故の賠償金等との調整

 労災保険と自動車保険の調整方法をご覧ください。

 

8.その他

(1)労災事故発生時の会社の義務について

(2)勤務先が労災保険に加入していない場合(労災未加入)について

(3)労災保険の「労働者」に当たるか問題となる場合について

(4)派遣先で労働災害が発生した場合について

 

【参考ホームページ】

◇労災申請書式(厚生労働省) 

【関連ページ】

◇労災保険と自動車保険の調整方法

◇労災保険・健康保険の活用方法

◇労災保険と自賠責保険の後遺障害等級の違い

◇労災保険の後遺障害認定のポイント

◇自賠責保険と労災保険の後遺障害認定手続の特徴

◇労災保険の後遺障害認定時期と留意点

◇労災保険の後遺障害等級認定理由の確認方法

◇労働基準監督署の関節可動域測定の疑問点

◇労災保険の症状固定までの期間と障害認定