労働基準監督署の関節可動域角度測定の疑問点

 労働災害(業務災害または通勤災害)で関節可動域制限の後遺症が残ったときには、障害(補償)給付の請求のため、ご通院先の担当医師が関節可動域角度を記載した診断書を労働基準監督署(労基署)に提出します。

 労基署ではその後一般に、被災者の方と面接を行い、その時に改めて関節可動域角度を測定します。

 しかし、この関節可動域角度の測定は、労災の医師ではなく、労基署の職員の方が行うことがあり、その測定結果に疑問が生じることがあります。

 具体的にあった例として、労基署で測定した結果が、提出した診断書の測定結果と全く同じというケースがありました。

 関節可動域角度の測定結果は、測定する日や医師等により違いが出るものと認識していましたので、この労基署の測定結果の適正さについて疑問を覚えました。

 その後、被災者の方が通院する病院のカルテを確認したところ、当初提出した診断書の測定結果の記載にミスがあることが分かり、カルテに基づき担当医師に診断書の訂正をお願いするとともに、症状固定後に改めて関節可動域を測定していただいて測定結果とカルテを添付して審査請求を行いましたが、最終的には、労基署の測定結果が尊重されました。

 上記のような疑問を生じさせないようにするためには、労基署での関節可動域角度の測定は、原則として医師に依頼すべきと考えます。

 やむを得ず労基署の職員の方が測定する場合は、提出した診断書に記載された測定結果を知らない方が測定すべきと考えます。


(令和1年6月26日作成)