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 自賠責保険の後遺障害等級認定は、原則として労災保険の認定基準に準拠することとされており、これは自賠責保険の支払基準でも明記されています。

 しかし、同じ後遺障害でも、労災保険が認定した等級と自賠責保険が認定した等級で異なることがあります。

 特に、高次脳機能障害と痛み等の神経症状については、労災保険と自賠責保険で認定される等級に違いが見られることがあります。

 高次脳機能障害の等級は、労災保険では認定基準に基づき、担当医師の文書照会に対する回答内容(4能力に対する○つけの位置)のとおりそのまま認定する傾向があるのに対して、自賠責保険では労災保険の認定基準を参考にしつつも、独自の基準に基づいて認定しており、労災保険の認定よりも被害者の方の実際の障害の内容と程度が反映されやすいと思います。

 痛み等の神経症状の等級は、自賠責保険では自覚症状を裏付ける客観的所見の有無で12級該当か否か判断していますが、労災保険では客観的所見の有無だけでなく、認定基準の文言どおり障害の程度も重視している傾向にあります。このため、自賠責保険では客観的所見が認められて12級が認定されても、労災保険では障害の程度がそれほど重くないとして14級が認定されることや、自賠責保険では客観的所見が認められず14級が認定されても、労災保険では障害の程度が重いとして12級が認定されることもあります。

 このように、労災保険と自賠責保険では同じ認定基準を使用していても、それぞれ独自の考え方をしているところがあり、同じ後遺障害に対して認定される等級に違いが出ることがあります。

 このため、できれば最初の後遺障害請求の段階で、労災保険と自賠責保険それぞれの考え方を踏まえたうえで、実際の障害の内容や程度について担当医師にきちんと伝え、可能な範囲で診断書等作成のご協力をいただくことが望ましいと思います。

 また、医師は、労災保険と自賠責保険のそれぞれから医療照会を受けた際に、同じような回答をしているつもりでも、両者の書式や質問内容等が異なるため、所見が微妙に違っており、そのことが認定される等級に影響を与え、異なる等級が認定されてしまうことがあります。

 労災保険と自賠責保険で異なる等級が認定された場合には、低い等級の認定に対する不服申立をする際に、独自の考え方を踏まえたうえで高い等級の認定に関する資料(自賠責保険の回答文書、労災保険の等級認定に関する開示文書など)を添付資料として添付して申立をしますと、これらが勘案されて等級が変更されることもあると思います。

(平成31年1月17日作成、令和5年9月21日改訂)

 

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