歩行障害(異常歩容・跛行)の基礎知識

 交通事故では、骨折・脱臼や神経の損傷などにより歩行障害が出てしまうことがあります。ここでは、歩行障害(跛行)の基礎知識をまとめています。

 

1.有痛性跛行(逃避性跛行)

 下肢の痛みを避けるため、患側への荷重時間を短くするようにする歩き方をいいます。外傷のほか、関節疾患、炎症でみられます。

 

2.下肢短縮による跛行(硬性墜下性跛行)

 脚長差のため、短縮した側の下肢に荷重するたびに、同じ側の肩が下がった歩き方になります。

 

3.股関節拘縮による跛行

 股関節に拘縮(内転拘縮または外転拘縮)があり、機能的な短縮または延長のため脚長差が生じると、下肢短縮による跛行(硬性墜下性跛行)と同じような歩き方になります。

 

4.軟性墜下性跛行

 股関節外転筋の筋力低下(亜脱臼性股関節症に多い)により、患側の下肢で荷重するたびに、同じ側の骨盤が下がるため、上半身を反対側に振るようにしてバランスをとりながら歩きます。

 

5.あひる跛行

 両側の軟性墜下性跛行で、上半身を左右に振って歩きます。

 

6.関節の不安定性や動揺性に基づく痙性

 関節を支持する複数の靭帯が断裂している場合や関節破壊がある場合に生じる歩き方です。

 

7.痙性歩行

  痙性両麻痺または痙性四肢麻痺により、股関節は屈曲・内転・内旋、膝関節は屈曲、足関節は内反尖足となり、歩幅は小さく体幹が大きく動揺して不安定になります。一方の下肢を他方の下肢と交互に交差させて歩くはさみ脚歩行が典型的です。

 

8.鶏歩行

 腓骨神経麻痺などのため下垂足になり足が背屈できないため、膝関節を高く上げ、足を投げ出すように足底全体を接地させる歩き方になります。

 

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