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 交通事故では骨折等のため関節を長期間固定すること等により、関節の動きに制限が出てしまうことがあります。

 ここでは、関節拘縮の基礎的なことをまとめています。

 

1.関節拘縮とは

 関節拘縮とは、関節包や関節包外の軟部組織(靭帯、腱鞘、筋膜、皮下組織、皮膚など)が原因となって、関節の運動が制限される病態をいいます。

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2.関節拘縮の原因

 軟部組織の拘縮の原因には、(1)変性、(2)異形成、(3)癒着、(4)物理的障害、(5)損傷による不全治癒が挙げられます。

(1)変性

 変性は血流不全や退行変性によって起こり、それにより、軟部組織の力学的特性が変化して拘縮を起こします。また反対に、拘縮により関節運動制限や不動化が起こると、関節および関節周囲組織は二次的に萎縮・変性していきます。

 

(2)異形成

 何らかが誘因となり、関節周辺で増殖・成長因子が放出され、正常組織が線維化して発症します。

 

(3)癒着

 組織が外傷性に癒着し滑動性がなくなる一次的な癒着、関節の長期固定により滑膜が変性して起こる二次性の癒着により発症します。

 

(4)物理的障害

 関節内外の軟部組織の浮腫・腫脹・腫瘤などが原因で発症します。

 

(5)損傷による不全治癒

 関節包靭帯などの線維性組織は、損傷後に肥厚しやすく、粘弾性などの力学的特性が変化すること、滑動性が悪くなること、治療により短縮して癒合することが拘縮の原因となります。

 

3.関節拘縮の病因

(1)先天性拘縮

 先天性の拘縮には、先天性内反足、多発関節拘縮症などがあります。

 

(2)後天性拘縮

①皮膚性拘縮

 病的な皮膚状態に起因するものです。熱傷や外傷による瘢痕は、皮膚の伸縮性を失わせて、関節拘縮を起こしやすいです。

 

②結合組織性拘縮

 関節周囲軟部組織の変性、異形成、物理的障害、損傷による不全治癒により発症します。

 肩関節周囲炎は、加齢現象に伴う退行変性を基礎に痛みと拘縮が起こります。反射性交感神経性萎縮症では、自律神経系の異常を背景に循環不全を主体とした関節および周囲組織の変性・萎縮が起こり拘縮します。

 

③筋性拘縮

 の損傷や内因性の原因での変性が起こると、が短縮して拘縮が起こります。フォルクマン拘縮、コンパートメント(区画)症候群は、の阻血によりが変性し短縮して拘縮が起こります。

 長期固定や不動は、関節周囲組織の萎縮のほか、の癒着によって拘縮が起こります。

 

④神経性拘縮

 脳脊髄損傷などによる痙性麻痺の場合、痙性のある筋群は自体の萎縮があり、かつ痙性による固縮のため短縮しやすく、関節も痙性筋の作動方向に拘縮しやすいとされます。

 末梢神経障害などによる弛緩性麻痺では、麻痺筋の拮抗方向に拘縮を起こす場合や長期間一定の肢位で放置されて拘縮を起こす場合があります。

 

関節性拘縮

 関節周囲線維性組織が原因で発症する拘縮で、変形性関節症、関節炎などが挙げられます。廃用性拘縮は、不動化の影響で関節周囲の線維性組織が萎縮変性し、拘縮を起こすことをいいます。

 

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