急性硬膜下血腫の基礎知識

 交通事故では頭部に衝撃を受けて、急性硬膜下血腫が発生し、高次脳機能障害や麻痺等の後遺障害が残ってしまうことがあります。

 ここでは、急性硬膜下血腫の概要、症状、治療、後遺障害等級との関係について記載しています。

 

1.急性硬膜下血腫とは

  硬膜下血腫は、頭部への衝撃により、硬膜の下=硬膜とクモ膜の間に出血し、出血がたまって血腫を形成したものです。

  受傷後3日以内に血腫があらわれるものを急性硬膜外血腫、受傷後3週間以上経過してからゆっくりと血腫がたまってくるものを慢性硬膜下血腫といいます。

  急性硬膜下血腫は、脳挫傷と合併してあらわれることが多く、この場合は脳挫傷からの出血が主となります。

  画像(CT)で、血腫の部分が三日月状に見える場合が、典型的な急性硬膜下血腫です。

 

 ◇頭部・脳の構造

 

2.急性硬膜下血腫の症状

  急性硬膜下血腫の症状として、意識障害があります。受傷直後から、意識喪失状態であることが多いと言われています。

  意識障害のほかには、脳挫傷による運動麻痺、言語障害、脳神経症状などが現れることもあります。

 

 ◇意識障害の評価方法

 

3.急性硬膜下血腫の治療

  急性硬膜下血腫のほとんどの場合に、血腫を除去し、止血を行う手術が行われます。血腫が大きかったり、脳挫傷が強かったりした場合には、頭蓋骨の蓋を一時的に取り外し、状態が良くなってから改めて蓋をする手術が行われることもあります。

  急性硬膜下血腫では脳そのものの損傷も受けることが多いので、手術をしても、麻痺や言語障害、精神障害等の後遺症を残すことが多いと言われています。

 

4.後遺障害等級との関係

  急性硬膜下血腫によって残った症状によって等級は異なってきます。

  高次脳機能障害や麻痺症状の場合は、基本的には9級以上の等級が認定されます。

   

 ◇高次脳機能障害の等級認定のポイント

 ◇脳損傷による麻痺(身体性機能障害)の後遺障害等級   

 

 

【参考ホームページ】

 ◇脳神経外科疾患情報ページ:急性硬膜下血腫

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 ◇高次脳機能障害の等級認定のポイント

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