むち打ち症・脊髄損傷等の画像検査の基礎知識

  交通事故でむち打ち症(頚椎捻挫)などを受傷したときには、病院ではレントゲン写真(X線)やMRIなどの画像検査や反射、知覚、筋力などの神経学的検査などが行われることがあります。

 ここでは、を受傷したときに行われる画像検査の概要について記載しています。

 

1.画像検査

(1)レントゲン検査(単純撮影)

 レントゲン検査では、頚椎の骨折・脱臼だけでなく、椎間板、筋肉、靭帯の損傷も間接的に知ることができます。

 症状の程度によって、例えば下記のように撮影方向の数を決めます。

○症状はないが念のため撮影→正面と側面(中間位)の2方向

○首、肩などに痛みがある→正面、側面(最大屈曲)、側面(中間位)、側面(最大後屈)の4方向

神経根症状脊髄症状が明確→上記4方向のほか、斜位(左)、斜位(右)の6方向

 

 単純レントゲン写真から、骨折・脱臼の有無のほか、頚椎全体の配列、老化現象である骨棘や椎間腔の狭小化などがあるかどうか、神経根が通る椎間孔の状態、脊柱管前後径(通常C4レベルで14mm以上)などを見ます。

 

(2)レントゲン検査(特殊撮影)

@CT検査

  CT検査は、脊髄造影もしくは椎間板造影の後に行われ、神経組織の圧迫、ヘルニアなどを把握するのに役立ちます。 

 

A脊髄造影(ミエログラフィー)

  単純レントゲン写真では写らない器官に対して、造影剤を注入して写るようにします。

  脊髄造影(ミエログラフィー)は、主に腰部からくも膜下腔に造影剤を注入しX線撮影をして、脊髄神経根の圧迫の有無を調べる方法です。

 

B椎間板造影(ディスコグラフィー)

  椎間板造影(ディスコグラフィー)は、椎間板に直接造影剤を注入しX線撮影をして、椎間板の変性の程度やヘルニアの有無を調べる方法です。

  なお、脊髄造影、椎間板造影などの造影検査は、現在では手術を前提とする場合以外は行われないようです。

 

(3)MRI

  MRIは、脊髄、椎間板、靭帯、筋肉などの軟部組織そのものをX線被曝なく描出し、脊髄神経根の圧迫、椎間板ヘルニアなどの状態が分かります。

  MRIの画像には、T1強調像(脊髄、椎骨が白っぽく写り、脊髄液は黒く写る)、T2強調像(脊髄、椎骨が黒っぽく写り、脊髄液は白く写る)などがあります。

 そして、脊髄などの状態は、矢状断(体を左右に縦切りにした断面)と水平断(体を水平に輪切りにした断面)の両方で確認します。

 

(4)その他

 上記のほかに、神経や筋肉の障害を電気的に検査する筋電図、胸痛を訴える場合には心電図、脳の損傷と鑑別するために脳波などの検査が行われることがあります。

 

2.神経学的検査

  神経学的検査(腱反射、病的反射、知覚、徒手筋力テスト等)を参照下さい。

 

【関連ページ】 

◇むち打ち・骨折等による痛み・しびれ(軽度神経症状)の等級認定のポイント

◇脊髄の障害の等級認定のポイント

◇しびれの症状と後遺障害等級認定 

◇むち打ち症の他覚的所見(後遺症12級の要件)について

◇椎間板ヘルニア等による神経根症の基礎知識

◇脊髄症(脊髄損傷)の基礎知識

◇頚椎の経年性変化(加齢変化)の基礎知識