首(頚部)の構造

 首は解剖学的に、@骨と椎間板、A筋肉と靭帯、B神経、の3つの組織から構成されています。

 

1.骨と椎間板

  首の骨は、頚椎という7つの骨(1つ1つの骨を椎骨といいます)で形成されています。一番上の頚椎を環椎(第1頚椎)、2番目の頚椎を軸椎(第2頚椎)、3〜7番目の頚椎を第3頚椎〜第7頚椎と呼びます。 

 7つの頚椎が積み重なると、中心部にできた穴が管のようになり、これを脊柱管といいます。脊柱管には、脊髄という神経が腰まで伸びています。

 頚椎と頚椎の間には、椎間板という組織が首が前後左右に動くようにクッションのような弾力性をもちながら、上下の骨がずれないように連結しています(環椎と軸椎の間に椎間板はありません)。

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 ◇頚椎の構造図(weblio辞書) 

 

2.筋肉と靭帯

  首の筋肉には、頚椎どうしを結ぶものと後頭骨と胴体を結ぶものがあります。

  衝突による伸展(首を後ろに倒す運動)時には、首の前方にある胸鎖乳突筋等が損傷を受けやすいといわれています。

  靭帯は、首の前後・側方から椎骨どうしを連結し、頚椎に一定以上の動きが生じないように抑えています。首の靭帯には、前縦靭帯、後縦靭帯、黄色靭帯などがあります。 

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3.神経

  首の神経は、@脊髄、A頚神経、B自律神経の3つに分けられます。

(1)脊髄

  脊髄は、脳とともに神経系の中枢を担っていますので、中枢神経と呼ばれます。

  頚椎にある脊髄は頚髄といい、大人のひとさし指くらいの太さをしているとされます。脊髄は、硬膜、クモ膜、軟膜の3つの膜で保護されています。クモ膜に囲まれた腔の内側には脊髄液があり、脊髄を浸して保護しています。

 

 ◇脊髄の説明・図(メルクマニュアル医学百科)

 

(2)頚神経 

  脊髄からは前根(運動神経線維)と後根(知覚運動線維)という神経線維が出ており、この2つが合わさって1本の頚神経となります。

  頚神経は、第1頚神経から第8頚神経まで左右1対ずつ計8対あり、後頭部、首、肩、腕、手の知覚と運動を支配しています。

 

(3)自律神経

  自律神経は内臓、眼、耳、汗腺、血管を支配し、これらの機能を調節していますが、その働きを随意的に変化させることはできません。

 自律神経は、外界への対応を積極的に行うよう諸臓器を活動させる交感神経と身体が安息時に行うような消化・吸収、排便・排尿等の機能を促進させる副交感神経から成っています。

 諸臓器の働きは、交感神経と副交感神経のバランスのうえにとり行われており、このバランスが崩れ、支配臓器の働きに変調が生じる状態を自律神経失調といいます。

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