後遺障害診断書の予後所見の記載について

 後遺障害診断書は後遺障害の認定を受けるうえでとても重要な書類です。

 脳外傷による高次脳機能障害やうつ症状等の非器質性精神障害、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)等の障害では、後遺障害診断書の記載内容だけでは判断が困難なケースが多いため、病院に医療照会をしたり画像を確認したりして総合的に判断されます。

 一方でむち打ち症等の軽度神経症状の場合には、医療照会や画像の確認も行うのですが、後遺障害診断書の記載内容を見ただけで後遺障害の等級には該当しない(非該当)と判断することが可能なケースも結構あると思います。

 この症状では特に、後遺障害診断書に記載される年齢、症状固定日、傷病名、自覚症状、他覚症状および検査結果、予後所見等すべての項目が認定のポイントになっています。

 この中で、後遺障害診断書の右下にある「障害内容の増悪・緩解の見通しなどについて記入してください」という欄に記載される予後所見は、後遺障害の4要件(@傷害がなおったとき(症状固定時)に残存する当該傷害と相当因果関係があり、A将来においても回復困難と見込まれる精神的または身体的なき損状態で、Bその存在が医学的に認められ、C労働能力の喪失を伴うもの)のAの要件と直結しています。

 この欄に「症状固定」や「今後も症状が残る」と記載された場合でも、Aの要件を満たさないと判断されることが少なくないのですが、ここに「緩解の見込み」等と記載されていれば、例外はありますが、それを見ただけでほぼ非該当ということで固まってしまいます。

 この欄は事実でなく、あくまでも担当医師の今後の見込みを記載するところですので、確実なことではありません。その見込みに基づいて判断されてしまうということです。

 医師は事実と異なる記載はしませんが、少なくとも上記については被害者の方の不利にならないように書いてもらうことは可能だと思います。

 

 

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