損害賠償額の算定基準

 損保会社から提示された損害賠償額が客観的に見て妥当な水準かどうかなかなか分かりにくいと思います。

 それは損害賠償額を算定するための基準が複数あるためです。その基準には大きく下記の3つがあります。

 

 @自賠責保険の基準

 A任意保険の基準 …対人賠償の基準、人身傷害の基準

 B裁判所の基準

 

 上記のいずれも計算式そのものは大きく変わりません。

 例えば、後遺障害の逸失利益でしたら、いずれの基準でも「基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という算定方法をとります。

 違いが出てくるのは、当てはめる数値です。労働能力喪失期間でしたら、自賠責保険では支払基準で「症状固定日から67歳までの期間」とされていますが、任意保険や裁判所の基準は必ずしもそうではありません。個々の具体的事情によって大きく変わってきます。

 このため、示談交渉ではご自身の事情等について説明、主張することが大切になります。

 

 また、損保会社では賠償額を提示する際には、通常、自賠責保険の基準と任意保険の基準の両方の基準で算定し、少なくとも自賠責保険基準を上回った賠償額を支払わなければいけません。

 このため提示された賠償額がどちらの基準に基づいて算定されているかを確認することも大切です。傷害の事案では、自賠責保険の支払限度額である120万円を超える損害額でしたら、通常は任意保険の基準で提示されます。120万円以下の損害額でも任意保険の基準で賠償を求めることは可能です。

 まずは提示された賠償額の算定根拠を確認し、納得できない部分については説明、主張していくことが大切になります。

 

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