後遺障害の請求方法-被害者請求と事前認定-

 交通事故の後遺障害の請求方法には、被害者請求と事前認定の2つの方法があります。被害者請求は相手方の自賠責保険会社に直接請求するのに対して、事前認定は相手方の任意保険会社を通じて請求するものです。

 後遺障害の請求の7割近くは事前認定と思われます。これは相手方の任意保険会社のペースで手続きなどが進んでいることが多いと推測されます。

 被害者請求も事前認定もどちらも、保険会社から損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)という第三者機関に書類等が送付されて、そこで後遺障害の審査がされることに違いはありません。しかし、事前認定の場合、後遺障害の手続きは相手方の任意保険会社が全て行うので被害者の方に負担がかからない一方で、全ての資料を出さないのではないか、不利な意見書などを付けるのではないか、といった不安が出てくることもあると思います。

 事前認定に少しでも不安のある方には、診断書等の書類は原則として全てご自身でそろえる必要がありますが、被害者請求の方法をお勧めいたします。

 しかし、被害者請求の場合でも、事前認定では不安が大きいから被害者請求にする、といった態度をあからさまに任意保険会社の担当者に示すことは得策とはいえません。後遺障害の認定後も、引き続き任意保険会社とは賠償金のやりとりをする必要があるからです。また、被害者請求を行う場合でも、任意保険会社の担当者に事情等を説明しますと必要な診断書・診療報酬明細書の写しなどをもらえることが多いです。被害者請求でそのまま使えますので、新たな診断書等の取り付け費用・時間・労力などを節約できます。

 このように事前認定に少しでも不安があるという場合には、被害者請求をお勧めいたします。

 なお、任意保険会社の担当者が、被害者の方の後遺障害認定に協力的なこともありますので、そのような場合には事前認定でもよいと思いますが、この場合でも、念のため、医師の作成した後遺障害診断書の内容はご確認いただいた方がよいです。また、最初の後遺障害請求は事前認定でも、異議申し立てのときには被害者請求で行うことができます。

 

 

 (平成26年6月4日作成)

 

 

 

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