交民集8巻5号1207頁

貨物運送業者である元請業者Y1が、同様に貨物運送業者である下請業者Y2からY2所有の大型貨物自動車を運転手付きで借り上げ、Y1の定期路線の貨物運送にあたらせていたところ、交差点で被害車両と出会頭衝突し、被害者が死亡した事故について、Y1、Y2に運行供用者責任が認められるかどうか。

右事実関係のもとにおいては、本件事故当時の加害車の運行は、Y1の支配のもとに、Y1のためになされたということができ、Y1は自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任を負うものというべきであり、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができる。所論のようにY2がY1に対して専属的、従属的関係に立つものではなく、下請負人として加害車を運行の用に供していたものとしても、右のように認めることの妨げとなるものではない。