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「進化しすぎた脳」を読んで

 人間の脳がよく分かってうまく活用できれば、より気持ちよく、日々の仕事や生活が送れるのではないか。改めて「進化しすぎた脳」(池谷裕二、講談社)を読みました。理系の高校生に向けた講義をまとめたものですが、すぐには理解することが難しいところがいくつもありました。しかし、脳の特徴を理解でき、脳で行われていることは、人間社会で行われていることと似ているところもあると思いました。具体的に印象に残ったところは、下記のとおりです。

○大脳皮質は脳の最も高次な機能をつかさどる大切な部分。表面積が大きくなるほど知能が高くなると考えられており、表面積を増やすため、シワを作った。

○脳は、目の情報や耳の情報など、様々な情報を処理する場所が局在化している。役割が場所により異なる。これだけ働きがそれぞれの場所に分かれて専門化しているのは脳以外にない。

○脳の活動は神経細胞(ニューロン)の働きで生まれるが、活動の実体は電気信号。

○脳の地図は脳が決めているのでなく、体が決めている。生まれたときに指が4本しかないと、脳には4本に対応する神経しか形成されない。分離手術をして5本の指にしたら、5本の指が別々に使えるようになり、5本目に対応する神経ができた。

○生まれ持った体や環境により、脳は「自己組織的」に自分をつくりあげていく。脳に関しては環境に適応する以上に進化してしまっていて、全能力を使いこなされてないと考えられる。リミッターは脳でなく体。

○人間の行動のなかで意識してやっていることは意外と少なくて、ほとんどが無意識かもしれないと想像できる。

○意識の最低条件は、①表現の選択、②ワーキングメモリ(短期記憶)、③可塑性(過去の記憶)の3つ。意識の典型が「言葉」。

○こわいから避ける、のではない。扁桃体という脳の場所が活動すれば、恐怖を感じ危険を避けることができる。しかし扁桃体自体に感情はない。扁桃体が活動してその情報が大脳皮質に送られるとそこで初めて「こわい」と感じる。

○記憶は絶対にあいまいである必要がある。あいまいでなく完璧に記憶できると、すべてのことが別々になってしまう(以前会った人でも服装が違うだけで区別できなくなる)。脳は共通している何かを無意識に選び出そうとする。学習もスピードがあまりに速いと表面の浅い情報だけに振り回されてしまい、その奥にひそんでいるものが見えてこなくなる。そうならないためには、学習スピードが遅いことが必須条件で、繰り返し勉強することも必要。

○脳のあいまいさは、シナプスが原因。シナプスは神経線維と神経線維の間のすき間をいう。神経細胞は神経線維をつくって他の神経細胞と連絡をしあう。神経線維にはイオンが流れて、そのイオンの流れが電気信号になって伝わっていく。電位差が崩れる場所を「スパイク」または「活動電位」という。神経細胞は絶縁体で電気を通さないため、シナプスではスパイクがくると物質(神経伝達物質)を放出して(電気信号を化学信号に変えて)、神経細胞間で情報を伝達する。しかし、シナプスはスパイクがくれば必ず物質を出すのでなく、確率による。それがあいまいさの原因と考えられている。

 学習するにはスピードが遅いことが必須という部分は、救われた気がします。長く続けていくことの大切さを感じましたが、世の中では短期的な成果が求められているように感じます。脳の性質を考えると、長期的な視点の大切さを考えさせられました。

以上

(令和元年11月7日作成)

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