障害年金の請求をしたものの、不支給になった場合、「再裁定請求」(請求のやり直し)によって改めて審査を求めることができます。
ここでは、再裁定請求の基礎的なことをまとめています。
1. 再裁定請求とは
再裁定請求とは、障害年金の請求をしたものの、希望する等級が認められなかったときに、改めて最初から請求を行う手続きです。
審査請求や再審査請求のような「不服申立て」の手続きではなく、再び新たに請求し直す手続きで、初回の結果に関係なく、あらためて審査が行われます。
【主な対象となるケース】
• 最初の請求では、診断書の記載が実際より違っていたため、不支給になった
• 当時提出できなかった資料が手に入った
• 障害認定日時点の状態を証明できる資料を後から取得した
• 請求を取り下げたが、やはり支給を希望するようになった
2. 再裁定請求の手続き方法と必要書類
(1)手続きの流れ
通常の手続きの流れは、以下のとおりです。
①再裁定請求の検討
実際の身体の状態を裏付ける新たな資料がそろえられるかを確認します。
②必要書類の準備
初診日や障害認定日の確認、診断書、病歴・就労状況申立書など、通常の障害年金請求と同様の書類を準備します。
③年金事務所へ提出
請求書類一式を整えて、管轄の年金事務所に提出します。年金事務所では、保険料納付要件の確認なども行われます。
④審査・結果通知
提出書類にもとづき、日本年金機構で審査が行われ、支給の可否や等級が決定されます。
(2)必要書類
再裁定請求で必要とされる主な書類は以下のとおりです。
• 年金請求書(通常の様式と同じ)
• 診断書(障害認定日または現在の障害状態を示すもの)
• 病歴・就労状況等申立書
• 初診日の証明書類(受診状況等証明書など)
• 銀行口座情報、本人確認書類
• 被保険者記録照会回答票(必要に応じて)
※初回請求時の資料を再利用できる場合もあります。
3. 再裁定請求の留意点
(1)「やり直しの請求」であり、不服申立てとは別制度
再裁定請求は、審査請求や再審査請求とは異なり、「過去の決定に異議を唱えるもの」ではなく、改めて最初から請求を行う手続きです。そのため、以前の結果にかかわらず、請求者が改めて提出する資料に基づき審査が行われます。
(2)新しい診断書・証拠資料が重要
再裁定請求では、実際の障害の状態を裏付ける資料の提出が重要です。以前不支給だったものが支給決定になる可能性もあります。
(3)請求期限・時効に注意
請求時期が遅くなる場合、時効(5年)により年金の一部が受給できなくなる可能性があります。お早めの再請求を検討することが大切です。
(4)専門家への相談も有効
再裁定請求は、「もう一度やってみたいけれど、どうすればよいかわからない」という方が多い手続きです。社会保険労務士等の専門家に相談することも有益になることがあります。
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