障害年金の審査請求を行った結果に納得できない場合には、「再審査請求」という不服申立ての手続きを行うことができます。
ここでは、再審査請求の基礎的なことをまとめています。
1. 再審査請求とは
再審査請求とは、審査請求を行ったものの、その結果に納得できない場合に、さらに上位機関である社会保険審査会に判断を求めるための不服申立手続きです。
審査請求が社会保険審査官による審査であるのに対し、再審査請求は法律や医療などの専門委員からなる社会保険審査会で審査されます。
請求者本人または代理人が行うことができ、再審査請求を行うことで、審査請求の結果が覆ることもあります。
【主な対象となるケース】
・審査請求の結果、障害年金が不支給のままだった
・審査請求で認定された等級に納得がいかない
・支給停止の決定が維持された
2. 再審査請求の手続き方法と必要書類
(1)手続きの流れ
再審査請求の通常の手続きの流れは、下記のとおりです。
①審査請求の決定書の受領
審査請求の結果通知(決定書)を確認し、内容に不服があるかどうかを検討します。
②再審査請求書の提出
不服がある場合は、裁決書を受け取った日の翌日から2ヶ月以内に再審査請求を行う必要があります。文書による申立てが原則で、所定の再審査請求書を使用します。
③審査の実施と裁決通知
社会保険審査会において、提出された書類をもとに審査が行われます。必要に応じて、口頭で意見を述べる機会(口頭意見陳述)が設けられます。
審査期間は数か月から1年程度かかる場合があります。結果は裁決書として通知されます。
(2)必要書類
再審査請求時に必要とされる主な書類は、以下のとおりです。
・再審査請求書(年金事務所または日本年金機構のHPから入手可能)
・再審査請求理由書(どの点に不服があるかを具体的に記載)
・主張を裏付ける資料(医師の意見書、診断書、生活状況の説明資料など)
・代理人がいる場合は、委任状・本人確認書類
3. 再審査請求の留意点
(1)申立て期限を守ること
再審査請求は、審査請求の裁決書を受け取った日の翌日から2ヶ月以内に行う必要があります。期限を過ぎると原則として受理されませんので、早めの準備が必要です。
(2)新たな資料の提出
審査請求と同じ主張を繰り返すだけではなく、新たな診断書や意見書、生活状況の変化などを示す資料があると、裁決が覆る可能性が高くなります。
(3)最終的な判断
再審査請求は、行政機関に対する最終的な不服申立て手続きです。これでも納得がいかない場合は、地方裁判所への行政訴訟に進むことになります。
(4)専門家の力を借りる選択肢も
再審査請求では、法的・医学的な観点からの判断が必要となることが多いため、社会保険労務士などの専門家に相談・依頼することで、より適切な書類作成や主張が可能になります。
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