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ウーバーイーツ配達員の事故と自転車保険・労災保険

 ウーバーイーツ配達員による自転車での配達を最近よく見かけます。ほとんどの方が安全に移動していますが、稀にスピードを出していて危険と思われることもあります。

 ウーバーイーツ配達員が事故にあい、また、ウーバーイーツ配達員との事故に巻き込まれた場合の補償はどうなるのでしょうか。下記でまとめました。

 

1. ウーバーイーツ配達員について

 ウーバーイーツ配達員は、個人事業主とされています。ウーバー社との間に雇用契約はありません。労働者ではないため、配達中に負傷しても、原則として労災保険の対象にはなりません。ただし、2021年9月1日から労災保険に特別加入することができるようになりました(下記5参照)。

 ウーバーイーツ配達員は、簡単に登録でき、好きな時間に自分の自転車等で専用のアプリを使って手軽に配達できること、配達1回ごとに報酬(雨の日や混雑時等の増額もある)が発生し1週間に1回まとめて支払われること、などが魅力と思われます。

 

2. ウーバーイーツ配達員が加入している保険

 ウーバーイーツ配達員はすべて、自動的に下記の保険に加入しています。

(1)対人・対物賠償責任  
 配達中の事故で、他人を死傷させたり、他人の物品を壊してしまい法律上の賠償責任が発生した場合に補償されます。  
 この「配達中の事故」とは、配達リクエストを受諾した時点から配達が完了、またはキャンセルされるまでの間に生じた事故とされています。

 

(2)傷害補償
 配達中の事故で、配達員自身が負傷した場合には、下記の補償がなされます。

①医療見舞金:X線検査、手術、投薬等必要な医療費を補償。50万円上限。

②死亡見舞金・葬式費用:配達員が死亡した場合、相続人に一時金1000万円。葬式費用は100万円上限。

③後遺障害見舞金:後遺障害が生じた場合、最大1000万円の一時金(金額は、後遺障害の症状により異なる)

④入院に伴う見舞金:負傷して入院し働けなくなった場合、1日あたり7500円。60日上限。  

⑤配偶者・被扶養者への見舞金:配達員が死亡した場合、その配偶者・被扶養者(18才以下)は1人あたり15万円の見舞金(最大3人まで)。

⑥後遺障害等級の確定費用:配達員が自身の後遺障害等級を提示するために要する専門機関への委託費用等について、実際に要した額

入院一時金:配達員が入院した際、ヘルメットを装着していた場合は2万円の一時金、ヘルメット非装着の場合は5000円の一時金。

手術一時金:配達員が負傷して手術を行う際、入院し宿泊を要する場合は7万5000円、外来手術の場合は3万7500円の一時金。

 

3. ウーバーイーツ配達員が負傷した場合の補償

(1)配達中の事故

 ウーバーイーツ配達員が負傷した場合、配達中の事故でしたら、上記2の保険の対象となります。

 ただし見舞金の性質上、お怪我の内容・程度によっては治療費や休業補償など十分とは言えないことも出てくるおそれがあります。ご自身で労災保険に特別加入するか、別に保険に加入するのが安心と思われます。

 

(2)配達中以外の事故

 配達中以外の事故の場合、上記2の保険の対象外とされています。個人事業主という立場上、原則として労災保険の対象になりませんので、ご自身で労災保険に特別加入するか、別に保険に加入するのが安心と思われます。

 

4. 自転車でのウーバーイーツ配達員に負傷させられた場合の補償

(1)配達中の事故

 配達中に負傷させられた場合は、上記2の保険の対象となります。上限額は明らかではありませんが、従来は1億円とされていましたので、金額面では特に心配ないと思われます。

 

(2)配達中以外の事故

 配達中以外に負傷させられた場合には、上記2の保険の対象外とされています。配達員が個人で別に賠償責任保険等に加入していない場合、無保険ということになります。

 被害者の方が加入する保険のほか、通勤中や業務中でしたら労災保険に請求できますが、基本的には、配達員に対して補償を求めていくことになると思います。

 

5. 労災保険の特別加入の対象拡大

 ウーバーイーツ配達員は、労働者でなく個人事業主という立場上、原則として労災保険の対象にはなりませんが、2021年9月1日から労災保険に特別加入できるようになりました。

 この特別加入をするには、労災保険の特別加入を扱う団体(特別加入団体)に所定の手続きをすることが必要になります。

 

6. まとめ

 すべてのウーバーイーツ配達員には自動的に上記の保険がついていますが、見舞金の性質上、怪我の内容・程度によっては上記補償だけでは不十分になる恐れがあります。

 労災保険に特別加入するか、配達員個人で別に保険に加入することが安心と思われます。     

(令和6年1月18日更新)                     

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