1998年7月の保険自由化から約10年が過ぎました。

　損保関係者にとっては激動の10年だったと言えると思います。

　自由化前は、損保会社は算定会（現在は損害保険料率算出機構）の算出した保険料の使用義務がありましたので、保険料は基本的には一律で、今と比べるとだいぶ穏やかな時代でした。

　ところが長年続いていた政府間の日米保険協議が決着し、その結果損保各社は保険料を自由に算定できるようになり、競争が激化しました。

　それから起きた主なできごとは下記のとおりです。

• 代理店を通さないダイレクト損保会社の参入
• 損保会社どうしの合併
• 代理店手数料の見直し
• 販売チャネルの多様化
• 補償内容の充実化・複雑化
• 保険金不払い問題
• 補償内容の簡素化（わかりやすく）
• 海外進出強化 

 　今でも損保関係者の中には、自由化前の方がずっと良かった、としみじみとお話しされる方もいます。

　損保関係者にとっては確かに厳しい自由化でしたが、消費者にとっては以前よりずっと安い保険料で保険に入れたり、人身傷害補償保険など補償内容の充実した商品も選べるようになったというメリットはあったと思います。

　ただ、被害者への保険金支払を犠牲にするような競争はできるだけ避けてもらいたいと思います。

以上